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2015年3月

2015年3月13日 (金)

ブルートレインの終焉

    青い車体の寝台特急「ブルートレイン」。青は、漆黒の闇のなかを
疾走する姿を想像させ、また早朝の朝焼けを駆け抜ける矢のような
姿をもイメージさせました。

国鉄が、日本全国規模の旅客の移動にサービスを提供していた頃、
その花形が寝台特急であり、社会の常識を超越したサービス設備で
一躍「走るホテル」として憧れの存在に躍り出たのがブルートレ
インでした。その60年もの歴史が、今日出発する列車をもって
定期運行を終えます。

遠く離れた大都市や故郷へ、一晩寝ながら移動できる。移動手段が
非常に見劣りした時代には、この魅力的な手段は非常に重宝なもの
で、ビジネスに帰省に観光に、日本中で大活躍したものです。

1980年前後の大ブームのときには、一番多くの列車が出発する
東京口の東京駅ホームには、毎日夕方になるとカメラを持った、
今でいう鉄ちゃん小僧が集まって、ロープが張られて規制された
ものです。

その東京口から青い車体が消え、残るのは上野ターミナルの13
番線だけになっていました。そこから、青函トンネルを越えて
はるか想像の彼方だった北海道・札幌への朝焼けを約束していた
「北斗星」が姿を消します。

これは、単にダイヤ改正で列車の運転が取りやめになる、ただそれ
だけのことなのでしょうか。機械が古くて使えないから使うのを
止める、ただそれだけのことなのでしょうか。我々は、生活の
なかの大切な何かを失おうとしているのではないでしょうか。

車体の色は緑色でしたが、やはり大阪から札幌へ運行されていた
「トワイライトエクスプレス」も、今回のダイヤ改正で廃止と
なります。

この列車は、大阪をお昼に出発して、日本海に沈む夕日を眺めな
がらディナーを楽しみ、翌朝北海道の大地を疾走するという、
まさに旅そのものだった列車でした。この「旅」そのものを失う、
そういう喪失感だろうと思います。

この文化を失うことに対して、新しい文明は従来の歴史を越えた
文化を提供できるのかどうかが問われているのだろうと思います。

それは「汽車旅」という文化なのです。

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感謝!

   
       
   
   
      
   

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